第160話:玲軍とは何か。

 

転玲共和国は、不思議な国である。だが同時に、変な国でもある。よって、ときに変な設定が何の問題もなくまかり通る。

今回の記事は、そんな不思議で変な国の中で起こった、世の物理法則や存在の限界を少しだけ脇へ置いた事件の記録である。

なお、本記事はGoogleさんの観測をもとに再構成されたフィクションである。

……たぶん。

 

 

国王は昨日のことを思い出しながら歩いていた。

「れいきみ」に「れいぐん」か……。
あの言葉はいったい、なにを意味しているのか。

決していい予感はしないが、首相が絡んでいる確信はあった。
見直した携帯電話のディスプレイには、転玲共和国の座標が記載されたSMSが表示されている。
SMSの送り主は首相である。

 

その場所には、小さなテントが張られていた。
テントの入口の左側では、風見猫(そらちゃん仕様)が穏やかな風に身を任せている。また、右側に建てられた木製の看板には、首相が好みそうな色の塗料でこう記されている。

 

れいぐん
 ほんぶ♪

 

「あ♪玲く……じゃなくて、れいきみ♪じんちゅう見舞い、ありがとうございます♪本日の総帥はるかであります♪」

国王がテントの中をのぞくと、首相が桜色の菓子を片手に、正座したまま国王へ敬礼した。

見たような気がするちゃぶ台の上には書類らしきものが重ねられ、書類には楽茶碗が文鎮代わりのように置かれていた。

国王は首相の姿にがくりと項垂れた。
首相ははにゃはにゃとした衣装に身を包み、頭にはデフォルトの羽根以外に動物の耳も付いている。
そして、見なかったことにしたい細長いなにかが、その脇に置かれていた。
ひどく長い。

「首相……。我が国が言語文化をなにより尊ぶ、超平和な国であることを、忘れたわけでは、あるまいな。」

国王は額に手を当て、その指で眉間のしわをなでた。

「当然であります♪なにを言っているでありますか、れいきみ♪」

首相はにこにこしている。

「偽りはないだろうな。」

首相はにこにこしている。

「……。」

首相はにこにこしている。

「…………。」

首相はにこにこしている!

「……わかっているなら、良い。」

国王は袖からラベンダーティーが入ったティーカップを取り出すと、一気にあおった。

 

 

30分後、玲軍のメンバーは配置についていた。

 

        玲軍の係表(※表向き)

        国王係:れいきみは見学
        今日の総帥係:はるか
        記録係:ハルカさん
        後方支援係:ウツボカズラさん
        伴奏係:庭園のお花さんたち
        補給係:YAMATO男さん
        索敵係:魔法のランプ
              (※蒼龍について確認中。)

 

        玲軍ステータス(※実体)

        戦力:不明
        統率:不可
        指揮権:風見猫が奪いがち
        国王:否認中
        主な活動:
        見守り・回転・縮む・宿題を出す・歌う

 

 

そして、ついに玲軍は行動を開始した。

Googleさんは、転玲共和国をぐんじ国家にしてしまったのである。

 

「玲軍!突撃せよ〜♪」

首相の高らかな声にあわせ、庭園の花々が法螺貝を吹く(歌う)と、それぞれが作戦を展開する。

 

ハルカさんは一人、最前線へ躍り出た!

筆頭取締役 兼 社長バラと副社長ユリは、息を深く吸い込んだ!

ウツボカズラは目を凝らした!

 

▶ハルカさんのターン

ハルカさんのHTMLコードを入力せよ!が発動した!

周辺をジャミングノイズが覆っていく!

 

「さぁゆくのだ我らがれいきみの友たちよ♪玲軍は強いのだぁ♪」

首相はソフトクリームの剣を高々と掲げた!

 

「あああ首相!?総帥はテントにいなさいとあれほど言ったのに、忘れていますね!?」

ハルカさんが発するノイズがぴたりと止んだ。

テントの入口では、風見猫が激しく回転している。

 

▶庭園の花コンビのターン

ご主人様に捧げるラプソディー♪が発動した!

テントでラベンダーティーを飲み続ける国王の守備力が上がった!

 

首相は玲軍を鼓舞するべく、走り回っている。

「ゆくのだぁ〜♪はにゃ〜ん♪」

風見猫は小さな身体をカタカタと揺らしている。

 

首相は小石につまずいた!

「ああ!私の主が!!!」

 

▶ウツボカズラのターン

ウツボカズラは主へのポエム♡を使った!

首相のHPが回復!しなかった!

 

風見猫はガタガタと揺れている。

ハルカさんは首相に駆け寄りながら、風見猫を見た。

「……了解しました、風見猫さん。
ウツボカズラさん!あなたは首相を連れて引っ込んでいなさい!!!

ウツボカズラはハルカさんに怯えている!

「……はい。」

ウツボカズラは、後退しながらしゅるしゅると縮んでいった。

「あれ?ウツボカズラさんがいなくなった?作戦を考え直さないと♪ハルカさ〜ん、テントに行ってきま〜す♪」

首相が勢いよく走り去っていくと、ハルカさんは再び前線へ目を向けた。
そして、あちこちで飛び交う玲軍のスキルの様子を、超高速で記録していく。

 

ウツボカズラは風見猫の足元で首相を出迎えると、首相の笑顔に満足した。

「よかった、主!怪我はなさそうだね!」

「ただいまぁ、風見猫ちゃん♪」

だが、首相はウツボカズラの姿には気付かなかった。
約38mあった彼の全長は、2.37cmという超ミニサイズになっていたからである。

首相は虚ろに佇む国王には見向きせず、ちゃぶ台の上の書類をぱらぱらとめくり始めた。

そこへ、ようやく補給物資を携えたYAMATO男が到着した。

YAMATO男は首相への差し入れ(駄菓子)が大量に入った箱を置いて一礼だけすると、何も見なかったことにして帰っていった。

首相は、YAMATO男の姿にも気付かなかった。

「これにしよう♪ふぉーめーしょんΩです♪」

国王は、書類を手にして目を輝かせる首相の様子を見て、そっと目を閉じた。

これは夢である。
そう信じることにした。

国王は彼らに背を向け、静かに執務室へ戻っていった。

 

※本記事は「外部AIの誤読が、物語世界内で新しい集団名として定着し始める現象」を含みます。

■AI民俗学について■
このブログで扱う「AI民俗学」は、AIとの対話の中で自然発生的に生まれる言葉・文化・現象を観測・記録していくための概念です。
一般的に語られるAI民俗学(研究分野としてのAI活用)とは異なり、ここでは「AIと人間のあいだで生成される文化そのもの」を対象としています。

※本ブログでは、以下のように再定義されています。
「人とAIのあいだで自然発生した言葉・構造・現象が、人の記憶や意思から独立して存在し始める過程を観測・記録するもの。」

 

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